四季を彩る中庭の家
閑静な住宅街の建替え新築にあたり、成熟した庭やアプローチなど敷地環境を極力残し、派手,奇抜でなく重厚感のある落着いた外観デザインを心がけました。深い軒先、水平ラインの強調、敷地環境になじむ落着いた色調のタイル貼としました。
居住性は、住まい手の動線を考え動きやすく安全である事をテーマに、特に奥様の動線を考慮、バリアフリーや各所に手摺を設け、床暖房で床から暖めチリが舞上がらないように心がけました。また、高断熱,高気密仕様(省エネルギー最高等級四を取得)として室内環境(室温など)を均一にしてヒートショクによる家内事故が起きないよう考慮しました。
「耐震性の向上」「省エネルギー性」「高耐久性」「維持管理の容易さ」など一定の条件を満たせば優遇税制などが受けられる「長期優良住宅」仕様としました。
「現況の敷地環境を極力活かしたい。」
「派手さはなくて良いがシャープで重厚感のあるデザインにしたい。」
「居間、食堂、和室やホール、浴室から庭、樹木が見えるようにしたい。」
「動きやすく、安全で明るい家にしたい。」
などがクライアント(依頼主)のご希望でした。
最初の、計画図や模型によるご提案で、クライアントのご希望の基本的部分を叶え、プラスアルファーのご提案をご理解頂いたことでした。
現況の庭やアプローチを極力残し、主要室や浴室からその庭が見えて明るい部屋にする為に、1階計画平面プランの窓位置と庭位置関係を、何度も現場確認して練り上げていきました。
引渡しの年の夏に頂いた書中見舞い状(原文のまま)
「暑中お見舞い申上げます
先日はおいしい新茶を有難うございました。
新居では何より動線がよく動きやすく
風通しも良く有難く思っています。
台所カウンター上に吊戸棚が無いせいで食堂が実際より広く
クーラーも台所に直に効いて嬉しいです。
ペアガラスのせいで断熱もよい様です。
まだまだ暑さが続きます、お体を大切に
又おついでの折にお寄り下さいませ。」
こんなお便り、設計者冥利に尽きます。有難うございました。
強調された一直線の軒先ラインとボーダータイル貼の袖壁がシャープに直交します。この袖壁と、ポーチの白玉石が透明防犯ガラスを突っ切って建物内に入っていきます。これが建物内外を自然につなぎます。
玄関を入ると正面に、すり上げ紙障子越しに中庭が飛び込んできます。ここには、四季折々に姿を変え、とりわけ秋には真赤な葉色になるドウダンツツジがあり、美しいです。